【楽天VT】楽天・全世界株式インデックス・ファンドの評価
(2019年12月15日:一部記事を更新しました)
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは日本・欧州・米国などの先進国と、インド・中国などの新興国を含む世界47カ国の株式市場へ投資する「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」に投資をするインデックスファンドです。
VTは米国のザ・バンガード・グループ・インク社が運用する超低コスト(0.09%)インデックスファンドであり、その純資産額は現在約117億ドル(約1兆2億5千万円)を超え、日本でも大変人気のあるファンドです。
そんな楽天・全世界株式インデックス・ファンドについての内容と評価についてご紹介します。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンドとは
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンドの基本情報
- 2.楽天・全世界株式インデックス・ファンドの運用実績
- 3.その他情報
- 4.まとめ
- 5.バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
楽天・全世界株式インデックス・ファンドとは
米国バンガード社は1976年に初めて個人向けインデックスファンドを売り出し、低コストのインデックス運用の先駆け的な存在でして、その運用資産は605兆円になり世界最大の資産運用会社米国ブラックロック社についで世界第2位です。
(バンガードHPより)
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは投信ブロガーが選ぶ!ファンドオブザイヤー2018では第9位を獲得。また昨年2017年は第1位を獲得しており2年連続TOP10にランクイン。
その支持される理由は、何と言っても海外ETFの「VT」を日本でも手軽に投資できるようにしたチャレンジ精神だと思います。
VTを購入するとなると、日本円をドルに変換して、米国ETF購入による買い付け手数料を支払う必要がありますので、少額からの積立投資には手数料分コスト負担が厳しくなります。
それを低コストの投資信託にすることで手軽に少額から積立投資ができるようにした貢献度はとても素晴らしいです。もちろんつみたてNISA対象です。
また、本家バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)は投信ブロガーが選ぶ!ファンドオブザイヤー2018では第7位にランクインしており、世界中の株式に時価評価額ベースで分散投資ができるファンドとして不動の人気商品になっています。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの基本情報
(1)ファンドの特徴
全世界の株式市場の動きをとらえることを目指して、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
※FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、日本・欧州・米国などの先進国と、インド・中国などの新興国を含む世界47カ国の株式市場へ投資します。
大型株、中型株および小型株まで網羅する全世界の株式市場の動向を表す時価総額加重平均型の株価指数です。
FTSEの詳細はこちら
(2)投資先の業種及び国・地域
(2019年7月の月報より)
業種では金融が20%を超えて、次いでテクノロジーとなっています。
米国企業が5割を超えておりますので、世界への分散投資といっても結局米国企業の業績影響を受けてしまいます。
よって、米国の金融セクター、テクノロジーセクターは米国経済を大きく牽引していますが、ひとたび金融不安が起こるとここの下落幅も半端ありません。
米国株式市場は先進国の中でも経済成長は高い一方、下落も早く幅も大きいですが、その回復スピードも早いので、成長の恩恵を受けやすいことは過去のチャートからもわかります。
下図は本家VTの図ですが、販売直後にリーマンショックが襲います。
一時期30ドルまで下がりましたが今は80ドルと2.6倍に成長しています。
(3)組み入れ上位10銘柄
(2019年7月の月報より)
TOP10はすべて米国企業になっています
2019年7月末時点では、世界中の株式8186銘柄が投資対象となっていますので、世界全体にバランスよく投資しています。
(4)ファンドの仕組み
当ファンドは、「楽天・全世界株式インデックス・マザーファンド」を親投資信託(「マザーファンド」)とする ファミリーファンド方式で運用します。 また、マザーファンドへの投資を通じて、上場投資信託証券(ETF)に投資します。
(5)手数料と運用管理コスト
購入時手数料 0円(ノーロード)
信託財産留保額 0円(無料)
信託報酬 0.138%(税込)
隠れコスト 0.079%(税込)
実質コスト 0.307%(第2回運用報告書より)
実質コストは、運用報告書では0.217%ですが、本家VTの信託報酬が0.09%ありますのでこれを加算しています。
第1回運用報告書では投資家の間ではこれが当初予想を大幅に上回る高コストとなりました。
そのため2018年10月31日 に「運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過について」という異例のレターを出しました。
なぜ、10月31日なのかと言いますと、この日が「投信ブロガーが選ぶ!ファンドオブザイヤー2018」の投票締め切り日でもあったので、ブロガーの皆さんにコスト面について安心させたかったというのが大きな理由と言われています。
第2回運用報告書では0.3%を下回るのではないか?と予測していましたが、結果はほぼ予想通りの数値となりました。
(6)ファンド設定日と運用期限
設定日 : 2017年9月29日
運用期限 : 無期限(償還なし)
決算日 : 7月15日
分配金 : 収益分配方針に基づき分配を実施
2.楽天・全世界株式インデックス・ファンドの運用実績
(1)騰落率
(2019年11月の月報)
ベンチマークを下回る要因は運用報告書によりますと「マザーファンドにおける継続的な資金流出入に伴う投資先ETFの売買執行コストの積み重なり、投資先ETFからの分配金に対する課税」と説明されています。
しかしそれでも米国株式市場は金利利下げの影響もあり、過去最高値を爆進中ですので年間リターンが10%を超えています。
(2)基準価格と純資産
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 投資信託・ETFのご案内 | 投資信託・ETFなら楽天投信投資顧問
3.その他情報
(1)つみたてNISAとiDeCoの対応について
・つみたてNISA :対応済
・iDeCo :対応済(楽天証券)
(2)購入できる主なネット証券会社について
販売している銀行や証券会社は多数ありますが、私は口座管理手数料が無料であるネット証券をお勧めします。
・楽天証券
・マネックス証券
・SBI証券
・松井証券
4.まとめ
前回第1期の運用報告書にては運用コストが0.404%と予想以上の高コストであること、ベンチマークとの乖離が発生したことで、発売された当初に比べると期待感が薄れてしまったこと、がっかり感がでてしまいました。
しかし第2回運用報告書でそこは少し改善されてきましたので、今後に期待します。
また、業界最低水準の運用コストを目指し続けるeMAXIS Slimシリーズから、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」 が発売され、楽天・全世界株式インデックス・ファンドのライバルが登場しています。1年目の実質コストは0.2454%(概算値)ですので、楽天VTよりも低い状況です。
そうなると楽天VTは利回りで上回ること、本家VTのように低コストにこだわった運用を追及していくことだと思いますので、頑張ってもらいたいと思います。
そうはいっても全世界に分散投資してくれますし、今後新興国経済が成長すれば国別構成比も変化しそのリバランスは自動で行ってくれます。
淡々とつみたて投資できる点では素晴らしい商品だと思います。
5.バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
<本家VTの詳細>
VT 銘柄 - バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 投資信託(ファンド)情報 - Bloomberg Markets
なお、VTに投資する場合はまず円からドルを購入する必要があります。
それには住信SBIネット銀行が為替手数料4銭とおすすめです。
SBI証券と連携できますので、購入したドルでSBI証券より米国ETFを購入するのが一番低コストでお薦めします。
それでは。
投資は自己責任でお願いします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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