つみたてNISAとiDeCo|目的別に活用し老後資金を準備する
老後の資金は2000万円必要だとか、最近は老後の資産運用について考えるCMが流れています。
資産運用を考えた時は、投資のことを知っている人なら「つみたてNISA」「iDeco(イデコ)」を考えると思います。
どちらも国の制度ですので税制上の優遇措置があることがメリットです。
もしこういった制度を知らないと、せっかく投資をしても税制上の優遇はないといったことになります。
そのため積極的に活用を検討して欲しいと思います。
ではつみたてNISAとiDecoどちらを始めるべきか?と悩む方もいると思いますが、私は両方活用することをお薦めしています。
それぞれメリット・デメリットがありますので、内容をよく理解して上手に活用しましょう。
今回は、投資初心者に向けて税制優遇を味方につけて老後資金準備する方法を紹介していきます。
老後に必要な資金は一体いくら?
会社員世帯の不足額は最大4162万円
■単身者
男性 718万円
女性 2293万円
■夫婦
会社員男性+専業主婦 2659万円
会社員女性+専業主夫 4162万円
会社員共働き 1521万円
(寿命は85歳と仮定)
厚生労働省の資料からざっくり計算した数値です。
退職金の平均額
平成25年に厚生労働省から発表された『就労条件総合調査結果の概要』によると、20年以上勤めた45歳以上の退職者で、定年を迎えた人がもらった退職金(一時金・年金)の平均は以下の通りです。
・「高校卒(現業職)」1128万円
・「高校卒(管理・事務・技術職)」1673万円
・「大学卒(管理・事務・技術職)」1941万円
単身者(男性)と会社員共働き世帯の場合、定年までしっかり勤め上げれば老後資金は十分足りると思います。
ここから足りない分を、如何に貯めて増やすかを検討するわけですが、つみたてNISAとiDecoの活用を検討してみましょう。
つみたてNISAとiDecoの違い
つみたてNISAの特徴
・毎年40万円×最大20年間=800万円の運用益に対し20年間非課税
・解約、売却はいつでも可能(非課税)
・金融庁の管轄
・国民にとって低コストで資産運用に最適な商品約170本
iDecoの特徴
・私的な年金制度の一種であるので掛金に対し所得控除が可能
・運用益は非課税
・原則として60歳までは引き出し不可能
(iDeco内で今の商品を売却して新しい商品に乗り換えたりすることは可能)
・60歳以降受け取り時は退職所得控除が適用
・厚生労働省の国民基金連合会の管轄
・加入している企業年金によって一人一人掛金上限があり
(12,000円~68,000円)
・口座管理手数料が毎月発生
加入・移換時手数料(初回1回のみ):2,829円
加入者手数料(毎月):105円
事務委託先金融機関手数料(毎月):65円
運営管理機関手数料(毎月):0円~450円
イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
どちらが使いやすい制度なのか?
これは個人の意見ですが、私の場合は利用目的が少し違います。
iDecoの場合は60歳までは引き出し不可能ですので完全な老後資金を目的としています。
60歳の時から70歳の時までに(またはそれ以降)に資産が大きく増えていればいいわけです。
また毎年掛金12,000円×12か月=144,000円は所得税控除が発生するので、確実に税金が浮きます。
60歳まで解約できないというところがデメリットでありますが、iDecoの資金にまでお金を必要とするような出費は通常ないので、もう強制的につみたてられていくところは逆にメリットです。
これは先進国株インデックスファンドに投資しています。
一方つみたてNISAは、老後の資金だけでなく教育費や将来多額な資金が必要になったときに柔軟に対応できるように活用しています。
私はまだ2年しかつみたてNISAを活用していませんが、万が一10年後に住宅修繕で大きな出費があって貯金を全て使うわけにはいかない場合、一部を売却して現金化することができます。もちろん利益がでていても非課税(通常は20.315%の税金発生)です。
どちらも投資商品ということを忘れないように
忘れてはいけないのは、どちらも資産運用のための制度であるので、商品には値動きがあります。よって投資期間中は大きく増えたり減ったりすることもあるでしょう。
iDecoには値動きがある株式や債券の商品だけでなく、現金の商品もありますがこれは毎月手数料がかかることを考えると掛金に対して純粋な掛金が減ってしまいます。
少なくとも毎年1%以上期待リターンがある商品を選ばないと手数料負けすることは覚えておいてください(もちろん掛金の税制上の優遇で取り返せるので問題ないと言えばそうなりますが)
また一番心配なのはリーマンショックの時のように株価が急落した場合でも、あわてて手放さないことです。
市場指数に連動するインデックスファンドを購入していれば、一時的に急落はあってもその後は徐々に回復していくことを歴史が証明しています。その間も淡々とつみたて投資をすればよいだけです。
年代別に老後資金をシミュレーション
ここでは年代別に今から投資をした場合いくらになるのか金額をシミュレーションします。
平均利回りはバランス型ファンド(株式・債券)の利回りを固めにみて3%としています。
30歳から老後資金の準備
現在30歳の方は定年まで30年もありますので、時間を利用した資金準備が可能です。
ただ結婚して子供がいる場合は生活費、教育資金もかかりますので無理なく貯めていく分と、投資をする分を分けて考えてください。
iDecoに毎月1万円、つみたてNISAに毎月2万円を投資した場合
<利回りは3%で計算>
iDeCo(イデコ) 年間12万円×30年=583万円
つみたてNISA 年間24万円×30年 =1165万円
※つみたてNISAは最大20年しかできませんので残り10年は通常の積み立てとします。
元本1,080万円、最終資産額1,748万円
投資期間が長いので「先進国株式インデックスファンド」のポートフォリオを中心にしてリスクをとりつつも大きく増やせるようにつみたて運用することをお薦めします。
40歳から老後資金の準備では、ある程度のリスクも必要
定年まで20年ですが、この年代は子供がいる世帯では教育資金と住宅ローン、もしかすると親の介護費用などでお金がかかる世代です。
よって、投資に回せるお金が少ない方は、ある程度リスクをとってリターンを増やすしかありません。
iDecoに毎月1万円、つみたてNISAに毎月2万円を投資した場合
<利回りは3%で計算>
iDeCo(イデコ) 年間12万円×20年=328万円
つみたてNISA 年間24万円×20年 =656万円
合計で985万円(元本720万円 運用益265万円)の資産となりますが、ちょっと心もとないかなと思います。
その場合、賞与からさらに年間12万円追加して、つみたてNISAを毎月3万円に増やすと20年で985万円になりますので、合計1313万円まで増やせます。
先進国株式ファンドや株式・債券をバランスよく組み合わせたファンドがおすすめです。
50歳から老後資金の準備でもまだ間に合う
定年まで10年しかありませんが、通常ですと最も給料を多くもらえる年代です。
また子供が独立した世帯では教育費が減少しますので、もっとも貯め時と言える時期でもあります。
iDecoに毎月1万円、つみたてNISAに毎月2万円を投資した場合
<利回りは3%で計算>
iDeCo(イデコ) 年間12万円×10年=139万円
つみたてNISA 年間24万円×10年 =279万円
合計で418万円(元本360万円 運用益58万円)しか準備できませんが、それまでにある程度貯金がある方はこれでもいいでしょう。
もし2000万円貯めたい!と思うなら毎月7.1万円投資しなくてはいけません。
バランスファンドがおすすめです。
まとめ
つみたてNISAもiDecoも上手に活用すれば、運用益に対して税金がかからないので大きく資産が増えた場合は大変お得な制度です。
とくにiDecoは60歳までの資金拘束があったり、手数料が発生したりと一見不利に見えますが、生活が厳しくなったら掛金減額もできたりするので、制度をよく理解しておきましょう。
上手に活用して今からでも老後資金を準備するのは遅くありません。
投資資金をしっかり捻出して、自分がとれるリスクの範囲で投資して行きましょう。
それでは。
投資は自己責任でお願いします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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