【悲報】原油価格下落で米シェールオイル企業経営破綻
米国のシェールオイル生産の中堅企業である、ホワイティング・ペトロリアムが経営破綻したとの報道がありました。
米シェール企業ホワイティング経営破たん、原油急落が打撃 - ロイター
ただ、経営破綻と言っても米連邦破産法第11条を適用するため、経営は続けながら債務を削減していく方針です。
1.原油価格の下落をおさらい
経営破綻の理由は原油価格が20ドルまで急激に下落したことによる企業収益悪化の影響です。
原油の生産国は1位アメリカ、2位サウジアラビア、3位ロシアとなっています。
米国はつい数年前まで原油輸入国でしたが今では輸出大国になっています。
原油価格下落の経緯
・OPECとロシアの協調体制の会議が3月上旬開催
・コロナウイルスの影響で世界的な原油需要が縮小→サウジは生産の削減を提案
・ロシアは拒否(生産維持を主張)
・OPEC盟主のサウジアラビアは激怒して決裂!サウジはむしろ増産すると宣言
・原油価格が一気に20ドルまで下落(1月には60ドルだった)
・生産増によってロシアは米国シェール企業を価格競争に巻き込んでつぶしたい
・ついでにサウジアラビアも原油のシェア拡大を取り戻したい
原油価格の収益ライン
アメリカ:最低でも50ドルくらい
ロシア:42ドルで予算組む
サウジアラビア:30ドルでもなんとか収益になる
しかしどの国も価格が20ドルでは採算悪化にしかならないので、やけくそのガチバトル状態です。
2.WLLの経営状況は?
WLLはマネックス証券によるとこんな企業です
米国ロッキー山脈地域を中心に石油やガス鉱区の取得、探鉱、開発、生産を行う米国を拠点とする独立系石油・ガス会社である。原油、天然ガス液、天然ガスの生産に注力している。事業は、主に米国で展開している。石油、天然ガス液、天然ガスの販売が主な収益源である。
株価
株価は1年前は30ドル程度、5年前は150ドルありましたが、直近ではたったの0.3ドルです。1年前の100分の1となってしまいました。
WLLは配当を出していませんので損切りしていない投資家は、紙くずに同然になっています。
ちなみにこちらが原油価格のチャートです。
原油価格と株価は比例しています。原油価格が高い時は、株価もそれなりを維持していました。
業績
2016年も原油価格の下落により売上収益が危機的状況でしたが(OPEC減産見送り)、その後原油価格が持ち直したので業績は回復。
2018年は原油価格が安定、世界経済も好調だったため黒字化し2019年も86百万ドルの黒字となりましたが、経営破綻となりました。
こうみると設備投資CFが営業CFより大きく増、累積フリーCFが赤字に膨らんできました。直近ではなんとか単年フリーCFを黒字化していますが、もたなかった模様。
そもそも経営自体赤字が続いていたようですし、株価も5年前からみると駄々下がりなので、来るべき時が来たとも言えます。
米国のこうした体力がないシェールオイル関連の中小企業の倒産は今後も続いてしまう可能性が高いです。個別銘柄投資は慎重に。
3.まとめ
原油関連銘柄を購入する場合は、配当の維持も厳しい企業が多いこと、経営破綻する中小企業もあるためオイルメジャー企業以外には手出ししないほうが無難だと思っています。
またオイルメジャー銘柄の高配当金は魅力的ですが、株価は年々下がりはじめており今後の見通しが不安定なこともあり手を出しづらいです。
配当維持宣言だしている
原油は生活に必要なんで、安くなると電力発電とか原料から製品を作る会社には良いことなんですが、あまりとりあげられませんけどね。
今回みたいにされちゃうとすごく業績悪化に響くんですよね・・・
ただし、トランプ大統領は原油価格の下落を止めるべく、サウジアラビア、ロシアと協議を重ねているようですので、何かしらの条件と引き換えに原油減産に持ちこむと思っています。
原油価格の安定重要で一致 米露首脳が電話会談 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
(これによって昨夜原油は爆上でした)
そうすると原油価格は回復しますので、株価の回復も見えてくると思いますが、若干バクチ要素が強いとも思います。
長期保有による配当金を期待する!投資家以外の方は個別銘柄投資はやめたほうが良いと思います。
配当利回りが10%を超える銘柄もあるので、魅力的ではありますが紙屑になってしまっては元も子もありません。
投資するならせめてVDEなどのセクター投資にすることをお薦めします。
(それでも現在配当利回りは7%前後あります。減配なければの話ですが)
それでは。
投資は自己責任でお願いします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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