一般NISAは2階建て構想へ!長期的な資産形成とは一体何か考える
昨日の日経ニュースで、政府・与党が行っている20年度税制改正の議論の中で現行の一般NISAについて期限の延長と2階建て構想について記載がありました。
個人の資産形成を積極的に進めたい政府としては、色々政策を打つことはわかるのですが、内容がどうもしょぼい。それを少し吐き出してみます。
次の一般NISAの2階建て構想
変更点はこちらの図を観てもらうとわかります。
(出典:日本経済新聞社より)
①現行NISAの期限を現在の2023年末から5年延長し2028年末までとする
②5年間で年間120万円を122万円に増額
③ただし安定資産20万円の1階に投資した人だけが残り2階部分の102万円を投資できる
いや、つっこみどころ満載です!(笑)
まず①。政府は国民の長期の資産形成を促すために、個人の資産形成を積極的に進めています(いや、そのはずです)
年間122万円はまだいいですよ。月10万円の積み立てをできる人なんてなかなかいないからこのくらいの上限枠でも。
しかし結局5年間だけの限定なんだと、そこは変わらないのか。
長期的に資産を形成させるならもっと長期間非課税期間を設けるのが普通なんじゃないかな?
みんな結局「5年しかないならや~らない」となって結局意識変わらないじゃん!と思いますがね。
そして③のところ。正直こんなことする意味が分かりません。記事では、
新たなNISAはリスクの低い投資信託などに対象を限定した積立枠(1階)と、従来通り上場株式などにも投資できる枠(2階)の仕組みに改める。原則としてリスクの低い商品に投資した人だけが、2階部分にも投資できるようにする。安定資産による長期的な運用を重視する。
新制度の1階は現行の「つみたてNISA」とほぼ同じになる。2階については、リスクが高すぎて資産形成に向いていないものを除外する方向で調整している。
20万円は使い切る必要があるのか?それとも100円でもいいから何かしら購入していればいいのか?疑問はありますが、問題はそこじゃない。
「安定した資産による長期的な運用を重視」って、5年で100万円の安定投資ですが、これをどういった意識で長期的な運用をさせるのか全く不明です。
そして、たった5年の期間でなぜこんな制約をする必要があるのか!?と疑問です。
5年だけなら1階の部分はなくても良いので、2階部分の対象商品を絞り込めばいいのではないかと思います。
つみたてNISAは残念な結果になりそうだ
現状のつみたてNISAは2018年1月から始めた人は2037年末まで購入でき、最大20年間非課税期間があります。
私は前回以下のような記事を書きました。
この時の報道では、2037年から始めても20年間非課税期間があるとのことだったのですが、その方針が一転、2037年までの投資期限を2042年までの5年間延長するだけとなる様子。
2023年までに始めれば、最大20年間は積み立てられるようになりますが、2024年に始めた人は19年間しかつみたてできません。
本当に国民の資産形成を促しているのかな?そんな制度に全く見えないのですがどうなのですかね?
そこまでして小市民からほそぼそと運用益や配当金の税金を徴収したいのでしょうか?
年金2000万円問題が話題になりましたが、自分たちの老後資金は自分達で用意させるなら、私としては最低でも「いつからでも20年間、年間100万円」くらいはつみたて投資できないと老後資金を確保できないと思います。これだけで最大2000万円準備できるわけですから自助努力を促せると思います(無理ならせめて月5万、年間60万、通算1,200万はどうでしょう)
まとめ
この記事だけではどういった方針が盛り込まれているのかわかりませんが、それでも大胆に国民の資産形成を促す政策には見えません。
ジュニアNISAも5年間の投資枠、子供が20歳になるまでは一切引き出せないなど使いづらさも指摘されていましたが、結局2023年末で終了させる様子。改善することはしないらしいです。
ただでさえ投資意識であったり、金融リテラシーが先進国の中では遅れている日本なのだから大胆な税制改正によって環境を整えて国民の投資リテラシーを形成させていくことを真剣に考えて欲しいと切に願います。
それでは。
投資は自己責任でお願いします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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