会社員の資産運用ブログ

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【米国株】セクター別の特徴と主要銘柄のまとめ

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米国株のセクター別特徴を知りたい人、各セクターの主要銘柄が知りたい人向けにまとめました。

 

米国株のセクターは11分類

米国株の各銘柄は、企業の業種で銘柄をグループに分類しており、現在は業種別に11のセクターいずれかに分類されています。

 

セクターとは、1999年に米国の格付機関であるスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と世界的金融グループのモルガン・スタンレー(MSCI)が共同で作成した世界産業分類基準「Global Industry Classification Standard」(GISC)のことです。

 

日本でも日経新聞などで株価銘柄のページは「銀行」「輸送用機器」「商社」など分かれていますが、もう少し括りをざっくりさせた感じですね。

セクターは基本的には同業企業が多くなりますので、株価は似たような値動きになります。

個別株を保有するよりはリスクは分散され、業種全体の業績の恩恵を受けやすくなります。

 

米国株各セクターの構成比率

S&P500に採用されている銘柄で各セクター別構成比率は以下の通りです。

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情報技術(テクノロジー)が約1/4を占めています。業績により乱高下が激しいセクターですが、現在のように好況時には株価の上昇を支えています。

素材、不動産、公益は合わせても10%に満たないので、保有したい人は個別に購入するしかありません。

 

 

各セクターの紹介と主要銘柄

ここからは各セクターの上位2銘柄と、その他おすすめ銘柄や押さえておきたい銘柄を勝手に紹介します。

※銘柄:ティッカー(セクター比率)は2019年12月26日時点

1.情報技術セクター

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コンピューターに関するソフトウェア、ハードウェア、インターネットテクノロジー、情報処理サービス、半導体などを事業とする企業の集合体です。

 

米国を象徴するテクノロジー企業が集まっており、時価総額ランキングでも上位の企業が多く、高いリターンが期待できます。

セクター325銘柄ある中、上位10銘柄の占める割合は55%ですので大企業の業績がリターンを左右します。

ただ、企業が巨大化しすぎており独占ビジネスの恐れがあると政府に規制され業績に影響を及ぼす不安があります。

 

1.アップル:APPL(17.53%)

時価総額世界一位(1兆1874億ドル)、iPhoneの販売台数は年間3500万台~4000万台。主力のiPhone、iPadなどで売上の7割を占めていますが、最近は定額制の音楽配信サービスなどで収益が安定化してます。

 

2.マイクロソフト:MSFT(15.93%)

時価総額世界二位、少し前まで世界一でした。OSであるWindowsやOfficeなどのソフトウェアを開発・販売。最近はクラウドサービス(Azure)がソフトウェア事業に匹敵する規模に拡大。

 

その他

ビザ:V 

金融系かと思いきや情報技術セクター。電子決済ネットワークやデータ転送サービスが収益であり、世界中で国際的な商取引を提供。

インテル:INTC 

PCに組み込むマイクロプロセッサ・チップセット・フラッシュメモリなどの開発・製造・販売。これがないとコンピューターが動きません。

 

2.ヘルスケアセクター

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ヘルスケア機器・用品の製造・販売、サービス、医薬品およびバイオテクノロジー製品の研究・開発・製造・マーケティングなどを事業とする企業の集合体です。

 

米国は医薬品開発(治験数)が世界一であり、医薬品販売シェアも世界トップです。

今後も新薬開発の投資が続くことから成長が期待されています。一方で個別企業でみると医薬品に対する訴訟リスクも抱えていますので注視すべきです。

不景気にも強く成長率も高いセクターとして有名です。

 

1.ジョンソン・エンド・ジョンソン:JNJ(8.28%)

製薬・医薬品を取り扱う多国籍企業、時価総額世界11位(ヘルスケア分野ではトップ)。バンドエイド、綿棒、ベビー用品やコンタクトレンズのアキュビューもこの会社です。

 

2.ユナイテッドヘルス・グループ:UNH(6.05%)

管理医療システムを運営し、雇用主に対し従業員福利厚生プログラムの立案管理する製品の提供や、専門介護サービスを提供している。売上収益が世界最大のヘルスケア企業。

 

その他

アッヴィ:ABBV 

個別株では有名な研究開発を核にしたバイオ医薬品メーカー。リウマチ、HIV、パーキンソン病など様々な治療薬を開発。

 

3.金融セクター

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銀行、保険、証券会社、不動産金融、消費者金融など企業への貸付、保険、金融投資、資産運用などを事業とする企業の集合体です。

 

基本は金利や報酬手数料が収益となります。金融セクターは景気敏感銘柄とも言われており、金利上昇局面や好況時に強いセクターです。

 

1.JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー:JPM(10.07%)
時価総額世界8位、銀行では世界一です。投資銀行、証券取引、資産運用などグローバル総合金融サービスを提供しています。グローバルの法人向け事業は「J.P.モルガン」、米国の中小企業・個人向け事業は「チェース」ブランドで展開。


2.バンク・オブ・アメリカ:BAC(7.04%)
略称「バンカメ」と聞いたことがあるかもしれません。JPMに次ぐ時価総額規模の総合銀行。
2008年に米国第3位の投資銀行であるメリルリンチを買収し一気にアメリカ最大規模の金融機関になりました。

 

その他
アメリカン・エキスプレス:AXP

トラベラーズカードとクレジットカードの発行元。通称「アメックス」としてカード会員向けに旅行代理業も営む。

 

バークシャー・ハサウェイ:BRK 

投資の神様ウォーレン・バフェット氏の企業。もともと紡績業だったが、バフェット氏が買収後投資会社になっていく。保険、鉄道、公益、エネルギーなど複数事業を経営。

 

4.通信サービスセクター

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固定回線、ワイヤレス通信、光ファイバーなどネットワークを利用した通信サービスと、放送・出版・広告を通じて関連コンテンツの提供を事業とする企業の集合体です。

 

従来は通信、モバイル、映画産業が主流でしたが現在はインターネット、動画配信サービスビジネスが40%を占めています。

5G投資では米中の覇権争いが続いていますが、米国内でも企業競争が激しくなっています。

 

1.フェイスブック:FB(14.81%)
時価総額世界第5位、世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のIT企業。
Facebook、Instagram、Messengerなどを提供している。ユーザー数は月間20億7000万人(ウィキペディア)と言われているので人類の1/3が常に利用していることになる。ちなみに自分はFacebookもインスタもやってない。


2.アルファベット:GOOG(11.30%)GOOGL(10.73%)
2015年にGoogle及びグループ企業の持ち株会社として設立。GOOGとGOOGLの違いは、GOOGの株は保有者に議決権がない、GOOGLは議決権を与えられる株。
検索エンジンやクラウド事業が収益基盤。
Android、Googleマップ、Chrome、YouTubeと言えばわかりますね。


その他
ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー:DIS
ディズニーランド経営だけじゃなく、ピクサーやスターウォーズ、マーベルなどの権利も保有。最近はスポーツ専門チャンネルのESPNを買収し参画。

 

5.一般消費財セクター

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自動車、アパレル、レジャー用品、ホテル、レストランなど消費者向け小売と製造業、サービス業の企業の集合体です。

 

日本人も知っているようないわゆるブランドを確立した企業が多く、老舗と言われる企業も多数あります。

不況時にも比較的強いセクターですが、消費者の景気動向(お財布事情)には最も敏感です。配当利回りはあまり高くありません。

 

1.アマゾン・ドット・コム:AMZN(22.5%)
時価総額世界4位ですが、年末商戦販売が記録更新(前年比+19%)をたたき出し絶好調、再度時価総額世界一奪還もあるかもしれません。
EC事業とクラウド事業(AWS)が収益の柱。ただクラウド事業はマイクロソフトもシェア拡大しておりウォッチしておく必要があります。

 

2.ホーム・デポ:HD(7.6%)
住宅リフォーム、建設資材・サービスでは米国最大の小売りチェーンで1900店舗展開しています。日本人でも名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。


その他
マクドナルド:MCD
世界中の誰もが知っている米国のファストフードチェーンです。ファストフードを含む外食産業では世界第2位です。配当金は2.54%と高くないのですが、やっぱり身近な企業のため店舗状況を見れば業績もわかるということでしょうか?投資家にも人気です。

 

6.資本財セクター

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宇宙、航空、防衛、鉄道、建設、物流など資材の製造、販売、商業サービスの提供などを事業とする企業の集合体です。

 

主に企業がビジネスのための投資として製品を購入しサービスを提供します。

景気循環株で好況時に強い銘柄が多く、不況時の安い時に購入できると高いリターンを期待できます。

 

1.ボーイング:BA(6.20%)
世界最大の航空宇宙機器開発製造会社。大型旅客機メーカーでは欧州のエアバスと世界市場を2分する巨大企業。なお米国では宇宙・航空の軍需産業がボーイングなら海洋はハンティントン・インガルス・インダストリーズ(HII)です。


2.ハネウェル・インターナショナル:HON(4.07%)
電子制御システムや自動化機器を製造販売している多国籍企業。アメリカ国防省やボーイングに技術サービスやソフトウェアなどの様々なソリューションを提供している。


その他
ユニオン・パシフィック:UNP
米国最大の鉄道会社でアメリカ西部から中部をほぼカバー。鉄道輸送は農産物、鉱物、化学品、工業品製品などを手掛け、西海岸から東部ゲートウェイへの長距離輸送だけでなく、カナダ、メキシコにも輸送している。

 

7.生活必需品セクター

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農産物、食品、飲料、たばこ、家庭用品の製造・流通などを事業とする企業の集合体です。

 

小売の日用品は生活に欠かせない必需品のため景気の影響を受けにくいセクターです。
全世界で事業展開している企業も多いため、業績、配当も安定しており投資家に人気があります。

 

1.プロクター・アンド・ギャンブル:PG(14.69%)
日本でも有名なP&Gです。パンパースやファブリーズ、アリエールなど生活用品を圧倒的ブランド力で世界中にマーケットを拡大しています。1950年から増配を継続している優良企業です。

 

2.コカ・コーラ:KO(10.17%)
57年連続増配を記録中の投資家も好んで保有する世界最大の飲料メーカー。先進国・新興国のどこの国のども街でも商品が販売されている(らしい)
最近は糖分ゼロ飲料やエナジードリンクにも力を入れているがやっぱり普通のコーラが好き。


その他
フィリップ・モリス・インターナショナル:PM
世界最大のたばこの持ち株会社。米国以外の市場でたばこやニコチンを含む製品の製造、販売。加熱式の電子タバコiQOS(アイコス)を販売。

同じたばこ事業のアルトリア(MO)と分社化され、MOはアメリカ国内での販売事業を展開。世界的に嫌煙ムードもあり紙巻たばこの出荷量は減少していますが、高収益を維持しており高配当銘柄の一つです。

 

8.エネルギーセクター

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石油等堀削装置やその他エネルギー関連機器の建設、サービス提供、石油・ガスの探査・開発・販売・精製・輸送などを事業とする企業の集合体です。

 

世界経済の成長鈍化、地球温暖化によって化石燃料事業に投資することへの逆風が強くなってます。
また、業績・株価が原油価格に左右されることも多く、国家間の政策に翻弄されることもしばしばです。景気後退局面に強く、配当利回りが高いセクターです。

 

1.エクソンモービル:XOM(22.79%)
石油メジャー最大手であり、スーパーメジャーと呼ばれる6社の内の1社。世界各地で石油・ガスの発掘から精製、化学品製造、輸送、ガソリンスタンドでの販売など全方位ビジネスを展開、米国内での政治的影響も強い。
ブランドは「エッソ」「エクソン」「モービル」

 

2.シェブロン:CVX(18.19%)
エクソン同様石油スーパーメジャーの内の1社。世界各地で石油・ガスの探鉱・発掘、精製、輸送、販売を手掛ける。発電事業も行っている。

 

9.公益事業セクター

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電力、ガス、水道事業の他、独立系発送電事業を行うインフラ提供企業の集合体です。

 

インフラビジネスですので不況時に強いセクターです。直近でもリターンは高く、不動産、エネルギーセクターに次ぐ高い配当利回りでして長期保有には最適です。

 

1.ネクステラエナジー:NEE(11.31%)
風力発電や太陽発電などの再生エネルギーのアメリカ最大手持ち株会社。
発電だけでなく小売、送配電設備の所有・運営しガスインフラ資産への投資も行っている。


2.ドミニオンエナジー:D(6.90%)
電力およびガス会社を傘下に保有する持ち株会社。原子力発電とLNG発電が主力であり、石炭発電の割合は下げる方針を打ち出している。

 

10.不動産セクター

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不動産物件の売買や賃貸、管理サービスを行う企業の集合体です。

 

景気や金利の影響を受けやすいREITのセクターです。REITは利益の9割を株主還元しますので、高い配当利回りが期待できます。

 

1.Vanguard Real EstateⅡ Inde:VRTPX(10.96%)
不動産投資信託ですので、アメリカン・タワー、プロロジス、クラウン・キャッスル・インターナショナル、エクイニクスなども含まれる。

 

2.アメリカン・タワー:AMT(6.6%)
不動産投資信託で、米国内でワイヤレス通信、放送用タワーの保有、運営、開発を事業としている。通信サービスや携帯電話など無線通信事業者向けにアンテナ塔のリー事業も展開。

 

11.素材セクター

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化学、建築資材、ガラス、紙、林産品の製造、関連包装製品の製造や金属、鉱物、製鉄行などコモディティ関連企業の集合体です。

 

構成比率も低く地味なセクターですが好況時では上昇局面になります。

ただ資本財や一般消費財に比べリターンが芳しくありません。配当利回りがまあまあ高いので割安株があるとリターンも期待できます。

 

1.Linde PLC:LIN(12.41%)
工業ガスの提供とそのガスを製造する装置の設計、エンジニアリング、製造を行っている。


2.エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ:APD(5.8%)
工業ガス事業は精製、石油化学、金属、エレクトロニクス、食品を含む世界中の製造市場に大気ガス・プロセスガスを提供している。

 

その他
デュポン・ド・ヌムール:DD
接着剤、動物用栄養剤、包装材料、医療機器及び材料、樹脂製品、栄養食品、コーティング、水浄化技術、電子ソリューションなどを製造・提供している。

 

ダウ 

www.asset-story.com

  

セクター別リターン実績

バンガードのセクターETFから直近5年リターンを算出しています。

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米国株式市場の上昇を支える情報技術が19.49%とトップです。ただし割高感があると言われているので高値つかみには注意です。

個人的には株価調整時期が来ると思うので、その時には買いだと思います(それまでは従来どおり積立投資のみ)

しかし調整時期が来ても株価が今と同じ水準まで戻れば待った意味がないですがね。

 

リーマンショックから回復期までのチャート

2007年1月~2010年12月までのリーマンショック前後のチャートです。

2007年1月を100とした場合、2009年3月が底ですが、その時の価格は上の色ごとの数値です(例:VGTは48.1ドル)

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一番下落したのは金融(VFH)-73%、次が不動産(VNQ)-66%です。

一番下落幅が少ないのは生活必需品(VDC)-23%、次がヘルスケア(VHT)-27%、僅差でエネルギー(VDE)-28%でした。

 

2019年12月までのチャート

次は2009年3月から2019年12月までのチャートです。

(表の期間表記が違いますが気にしないでください)

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上昇幅が大きいセクターは、情報技術(VGT)が+512%、次が一般消費財(VCR)+423%、ヘルスケア(VHT)+356%です。

上昇幅が小さいのはエネルギー(VDE)で、あの不況時からでも+24%しか上昇していません。

なおS&P500(黒線)をアウトパフォームしたのは、情報技術、一般消費財、ヘルスケア、資本財の4セクターとなりました。 

 

セクター別配当利回り

バンガードのセクターETFから直近の配当利回りを算出しています。

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(2019年12月25日時点)

エネルギーセクターの配当利回りは高いですが、リターンが悪いのでこれでは資産は増えません。定期的な配当収入にこだわる人にはいいでしょう。

公益事業、ヘルスケアは比較的リターンも良いので、不況にも強いことを考慮するととバランスも良くディフェンス銘柄におすすめです。

 

まとめ

今回自分で米国株を調べていくうちにセクターの動きや特徴、構成銘柄が中々覚えられなかったので、覚えられるように自分が作ってみました。

 

特に投資初心者は、色々な方のブログを読んでいてもセクター特徴がわからないとそこに分類される個別銘柄の動きも理解できないことがあります。私がそうでした。

 

この記事はかなり時間がかかって書いたこともあり、自分でも少しはセクターの特徴を理解できたかと思います。

 

VOOやVTI、VTでコア資産を作り、セクターETFをサテライト資産として過不足分を買い増しするのもおすすめです。

 

それでは。

投資は自己責任でお願いします。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

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