吉野家HD(9861)の業績紹介 株主優待は魅力だが今は買いではない
吉野家ホールディングス(9861)の業績について紹介します。
吉野家HDは牛丼でおなじみの「吉野家」を展開していますが、それ以外にも「はなまるうどん」、回転ずしの海鮮三崎港を展開する「京樽」、ステーキの「フォルクス」なども傘下に納めています。
配当金は年20円と配当利回りでも1%程度ですが、グループで使える株主優待券がすごく便利です。300円×10枚つづりが年2回(合計6000円分)もらえますので、牛丼、うどん、お寿司が好きな人には使い勝手がとても良いと思います。
吉野家HDとはどんな会社か
・売上2000億円、営業利益1億円(2019年2月期)
・吉野家、はなまるうどん、京樽、アークミールなど経営
・海外店舗はグループでおよそ1000店(特に米国、中国、インドネシア)
・株主優待券3000円×2回が魅力
吉野家の過去業績について
過去3年の業績についてまとめました。
※株価は2019年9月13日のデータ
損益
売上高は吉野家の既存店売上が前年を上回ったこと、はなまるうどん、京樽、海外の新規店舗拡大による売上増加が貢献しています。
一方、牛肉・米を中心とした原材料価格の高騰、人手不足やアルバイト・パート時給の上昇によるコスト増で大幅減益となった。
営業利益は1億円確保しましたが、当期純損失は、店舗の撤退等による減損損失51億7百万円を計上したこと等により減益となりました。
一時的な減損による赤字なので将来に負の遺産を残さなかったことは良かったと思います。3社合同定期券や、牛すき鍋定食などのメニューが人気となり主力である吉野家の既存店売上高が回復しているので今後に期待します。
財務
営業CFは28億円となりましたが、投資CFは店舗出店費用の増加で90億円の支出、財務CFは借入金の収入111億円と返済64億円、配当支払12億円などにより+24億円となりました。
自己資本比率は高い方だと思いますが、営業CFよりも出店コストの影響で投資CFが多く、配当性向も高いことから借入金が増加しています。また現預金も少しづつ減少しているので既存店売上増加によるキャッシュフロー改善も一つの課題かと思います。
吉野家HDの株価
2013年までは1000円で推移していましたが、2018年には2000円を超え一時的に下落しましたが、今現在回復して2200円を超えています。
株価上昇の理由ですが、主力である吉野家、アークミールは牛肉の仕入れコスト下がらないと利益改善しません。
その点は先月、日米貿易交渉が本合意できたことで米国産牛肉の輸入仕入れコストが減少が期待できると投資家に判断され株価上昇につながっていると思われます。
吉野家HDの2020年2月期の状況
業績
通期業績計画は、売上高2080億円、営業利益10億円、純利益1億円と採算改善を打ち出していました。
ところが吉野家HDの2020年2月期の第一四半期(3月~5月)の業績は以下の通りとなりました。
売上高527億円、営業利益10億円、純利益1億円
なんと、営業利益、純利益は当初計画を達成してしまいました!(ただし通期見込みはまだ変えていない)
その要因は、吉野家を中心としたセグメントの売上増加によって人件費コスト増などを吸収し採算が改善しました。
特に吉野家では超特盛(税込780円)が3月の販売から1か月で100万食突破しこれがサラリーマン層に受けたこと、健康志向の女性や中年男性向けのライザップ牛サラダ(税込540円)がヒットしたことによります。こちらも7月には100万食突破したそうです。
超特盛は確かにボリュームがあって並2杯頼むが恥ずかしい場合は、こっちを頼んでもいいかと思います。
ライザップ牛サラダはダイエット中でも罪悪感がなく食べられることでしょうか?(笑)
取り組み
さらに従来WAONしか使えず不便でしたが、電子マネーが幅広く導入されました。
9月からは『PayPay』、『LINE Pay』、『メルペイ』、『アリペイ(Alipay)』 などキャッシュレス決済が吉野家全店舗で使用可能となりました。
こういった取り組みやキャンペーンも実施していますので、既存顧客の確保と新規顧客の集客にも期待しています。
まとめ
吉野家の魅力は個人的には牛丼、はなまるうどん、ステーキといった身近で食べたいものがある株優待券だと思っています。毎回贈られてくるとすぐに使い切ってしまいます。
年間配当金2000円(過去5年継続)、優待6000円分で合計8000円となり配当利回りは現時点でも3.6%程度ですので、配当・優待券狙いの方は今の株価は高値かと思います。
2000円以下になったら購入を検討してもいいかもしれません。
それでは。
投資は自己責任でお願いします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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